手紙

北海道から、小さな宅配便が届きました。

中には、
お貸ししていた椅子の張り地サンプル、
ジップロックいっぱいに詰められた
六家亭のお菓子とインスタントの抹茶カプチーノ、
そして、すばらしく達筆なお手紙と、一冊の本。

ここ1ヵ月ほど、毎週電話やメールでやりとりしてきた、
北海道のおばちゃまからでした。

「家族で温泉をやっていて、70歳になった今は、
 仕事の一線からは退いたけど、
 いつもカウンターに座っていて、
 お客さんと話すのが大好き。
 仕事しながらくつろげる椅子がほしいの。
 椅子はたっくさん持っているけど、
 本当に気に入った椅子をずっとさがしているのよ。」

という電話からはじまり、
数多くのご希望をかき分けながら、
ああでもない、こうでもないと、たくさん提案して、
お互い、言いたいことを言いあって。
ようやく、つくる椅子が見えてきました。

ぼくらはいつも、
お店で直接、椅子に座ってもらって話したり、
つかう現場に、椅子やテーブルを出前したり、
「現場」で「現物」。がいちばん。
ということでやっています。

0.1mm以下の正確な加工、といった、「精度」より、
「こういうモノが欲しかった!」という「キモチへの精度」
がBC工房の「精度」だと思うからです。

「わたしの人となりをわかってもらおうと思って。
 いろいろ送ってごめんなさいね。
 おばさん、よく宇宙人みたいっていわれるのよ。
 手紙は読んだらすててくださいね。」
 
言葉、電話、メール、写真、手紙、手書きの字、絵、お菓子。
ひとつの椅子をつくるために、
いろんなやり方で伝えあう。
いろんなベンリな手段がありますが、
伝わるためには、そこに思いがあるかどうか、という気がします。

手紙を読んで、お菓子を食べて、抹茶カプチーノを飲んで、
椅子のアレンジをいろいろと考えました。
「おばちゃま宇宙人の椅子」になってきたでしょうか。
スタッフ皆にも伝わるよう、思い込んでつくります。
もうちょっとお待ちくださいね。
 アリスの椅子アレンジ