横浜市立滝頭小学校。
創立80周年を迎えた歴史ある学校です。
図書室に「ヒマラヤ杉」のテーブルをつくりました。
1年近くかけた「ヒマラヤ杉プロジェクト」でした。
去年、
この学校の「ヒマラヤ杉」が枯れてしまいました。
80年、ずっと滝頭小学校のみんなを見守ってきたヒマラヤ杉。
校歌の歌詞にも「ヒマラヤ杉」。
生徒会の名前は「ヒマラヤ杉委員会」。
創立80周年記念のキャラクターは、ヒマラヤ杉の「タッキーくん」。
滝頭小学校のシンボルツリーでした。
枯れてしまった大木は、台風で倒れるかもしれません。
先生方は、このヒマラヤ杉を切ることを決断しました。
昨年6月ころ、
伐採を担当した日光緑化さんのご紹介で、
滝頭小学校を訪ねました。
「創立80周年の記念に、このシンボルツリーを何か
カタチにして残せないだろうか。」
無言で立ち尽くすヒマラヤ杉が、
「滝頭小学校のみんなと、これからも、
ずっといっしょにいたい。」
と言っているように思えました。
このヒマラヤ杉に新しい命を吹き込むことは、
木にたずさわって生きる僕たちの使命だと感じました。

飾りのオブジェではなく、
もっとみんなの近くで、
触って、つかって、キズをのこすテーブルにすることを
提案させていただきました。

8月19日ヒマラヤ杉はに伐採されました。
それから5ヶ月、新しく植えられたヒマラヤ杉の横でじっくり寝かせました。

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1月、トラックに載せて、飛騨高山へ製材の旅。
大きなのこぎりの機械で、丸太を板に割ります。
どんな木目か、ワレがどこまで入っているか、
もっとも緊張する一瞬。
挽きたてのヒマラヤ杉は、しっとりとやさしい肌色で、
乾燥も良好で、ワレも少ない良材でした。
製材した板は、
人工乾燥に入れ、水分をしっかり落としました。
そして、2月18日、
工房に乾いた木が届いて、制作。
3月11日納品。
みんなで、焼きペンをつかって、
「タッキーくん」や校章をテーブル、丸太の椅子に描きました。
立っていた樹としての記憶を残すように、
テーブルの真ん中に柱を立てました。
みんなで、毎日つかって、こっそりキズをつけて、
いつかオトナになって、帰ってきたときにそのキズを見つけてほしいな。
この「ヒマラヤ杉プロジェクト」が、
3月17日(火)12:30〜14:00
tvkテレビ 「ハマランチョ」
で紹介されます。
腕利きディレクターによる素晴らしいドキュメンタリーに
仕上がっていることでしょう。
みなさん、ぜひごらんになってください!
そのもっと昔に私の父も滝小の生徒でした。親子でお世話になった小学校、ヒマラヤ杉。今の生徒さんたちが大切に思ってくれたのは、とても嬉しいことです。ありがとう。
きっと子供が出来た時、その子供たちが親になったとき、この話はずーと語り継がれていかれると、枯れてしまった私たちの大将も、図書室で笑っていると思います