このトチのふるさとである飛騨の山間に小さな村がありました。
村人達は大きな鋸をかつぎ、山の中へと分け入り、木を切って暮らしています。
村人が切り出した木材は、建設途中の高山城へと運ばれて行きます。
お城の完成まであともう一息。仕事に精を出すかたわら、谷間に生える大きなトチの木の実を拾うこともあります。村人の食生活にとって、トチの実は欠かせないものでした。ですから、なるべく昔からトチの木を大切にしていました。
近頃お城の動きも慌しく、お殿様の鷹狩に出かけるお姿もめっきり見かけなくなったが・・・
と、程なく大きな戦が始まりました。関が原の戦いです。
←写真をクリックすると年輪が見えます。
ちょっぴりタイムスリップしてみたい気持ちになりました。
このトチの木の年輪を数えてみたところ、数えられる範囲で300年以上400年近くありました。このトチが実際に岐阜県の飛騨の木であるかは未確定ですが、
トチの木は北海道の南部から九州の山の谷間に自生しています。その中でも良材が自生している土地というのがあるそうで、岐阜県も含まれているようです。
そんなことから、400年前の岐阜県に設定して想いをめぐらせてみると、少し驚きの世界が広がっていました。
ザラッとしたラフな風合いのテーブルをイメージしていると、ボスが何種類かの木と向き合っていた。そんなところへ私も加わり、このトチが気になって制作をかって出た。制作を始める前に、お互いにやり取りをしてイメージの共有をする。
トチの木は白太が多いほど銘木と言われているが、私は赤太が白太をバックに力強く日本画のように描かれた柄のあるトチが好と話し、ボスはこのトチの品のある縮み杢を生かしたいと話す。
きらきら輝く縮み杢→
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